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「投票に行かない勇気」

「バラマキさん」
「九時五時、僕の名前を福祉政策批判の文脈でよく用いられる言葉みたいに呼ぶんじゃない。僕の名前は阿良々木だ」
「そちらこそ、私の名前を現実にはそうそうありえない勤務時間みたいな名前で呼ばないください。私の名前は八九時です。一時間勤務です!」
「それ、勤務時間というより通勤時間だな。それで何の用だ、八九寺?」
「いよいよ参院選の投票日ですね。今年から18歳以上なら投票できるようになったので阿良々木さんも晴れて一票をもつに至ったわけです」
「ああ、選挙か。ぼく、ちょっとそういう政治がらみの話って苦手なんだよなあ」
「おやおや。まわりに羽川さんや戦場ヶ原さんがいらっしゃるんですから、教えを乞えばいいじゃないですか」
「いや、ぼくの場合そういうんじゃなくて、なんて言うか、若い人も選挙に行こう!ただし、ある政党には投票しないものとする、みたいな雰囲気が苦手でね」
「ははあ、好きに書いてくださいと言われているのに、正解がある感じと似ていますね」
「そう。だから投票するのもしないのも気が重くて」

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「阿良々木さん、勇気と最後につければたいていの言葉はポジティブに置換できますよ」
「そんな馬鹿な。日本語はそんな単純な構造にはなっていないはずだ」
「やってみますか」
「…やってみろ!」
「ではまずは小手調べから」

「白票を投じる勇気」
「やるなあ。やっていることは普通に無効票を投じただけなのに、うしろに勇気とつけるだけでまるでそれが正しい行為であるかのようだ。そんなことは一言もいっていないのに」

選挙での「白票」を「社会を変える力がある」とミスリードする謎の集団「日本未来ネットワーク」のサイトが突如出現 | BUZZAP!(バザップ!)

公職選挙法 第六十八条(一部抜粋、強調筆者)

衆議院比例代表選出)議員又は参議院比例代表選出)議員の選挙以外の選挙の投票については、次の各号のいずれかに該当するものは、無効とする
 七  公職の候補者の氏名を自書しないもの
2  衆議院比例代表選出)議員の選挙の投票については、次の各号のいずれかに該当するものは、無効とする。
 七  衆議院名簿届出政党等の第八十六条の二第一項の規定による届出に係る名称又は略称を自書しないもの
3  参議院比例代表選出)議員の選挙の投票については、次の各号のいずれかに該当するものは、無効とする。
 九  公職の候補者たる参議院名簿登載者の氏名又は参議院名簿届出政党等の第八十六条の三第一項の規定による届出に係る名称若しくは略称を自書しないもの

「支持政党なしに投票する勇気」
「なんと!すげえ。結果として騙されているだけなのに、まるでそうすることによって民主主義を守ったかのような印象がある。そんなことは、一言も言っていないのに!」

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「投票に行かない勇気」
「な、なんてことだ!もはやあとがない。なにもしてなく、無駄に権利を放棄しているだけのはずなのに、あえてその選択に身を賭し、大義のために民主主義を憂えているかのようだ。そんなことは一言も、本当に一言も言っていないのに!だけど、いま僕は権利を行使しないわけには…」

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「権利を行使しない勇気」
「権利を行使しない!」

「言葉のかっこよさに引きずられて、つい権利を行使しないでしまった!実際は権利を行使していないだけなのに。日本語って簡単だなァ…!」

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この記事の元ネタはアニメ「偽物語」第一話Bパートにおける主人公・阿良々木暦八九寺真宵との掛け合い(勇気と~の部分)。アニメの原作は西尾維新による同名の著作

ところで60歳代の日本人人口およそ1,800万人に対して30歳代はおよそ1,750万人と大差がない。しかも20歳代の人口(1,300万人)は70歳代(1,270万人)よりも多い。
出典:−人口統計資料集(2015)−
若い人がどこに投票するかはさておき、もし高齢者並みの投票率となればこれまでとは違った政治風景が見られるかもしれない。
参院選は今日7月10日20時まで投票できる(一部地域を除く)。