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2014年に1度のボジョレー・ヌーヴォーを楽しもう

   フレッシュさが多彩な芳香を引き立てており、タンニンは繊細で完璧に溶け込み、絹のような舌触り。2014年はボジョレーのためにあったようなヴィンテージ!*1

これが今年のボジョレー・ヌーヴォーへのコメント。

ボジョレー委員会から毎年コメントが出ている。こちらが大元(英語版

THE 2014 VINTAGE: Elegance, gourmandise and great balance...... A most promising vintage!*2

強気なのはいつものことだが今年のボジョレー・ヌーヴォーは確かに美味しい!

2012年に天候不良に見舞われてとても苦労したことを思うと2014年の出来の良さが嬉しい。

 2010年から今年のものまで5年分飲み比べてもそう感じた。

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ずらずらっと全部ボジョレー地方のワイン*3

全部で9本あるが、このなかでボジョレー・ヌーヴォーなのは7本。

ボジョレー・ヌーヴォー を名乗れるのは赤だけ。さらにボジョレー地方のワインでも格上のものはヌーヴォーを仕込むことができない。他の地域と同様に通常のワインとして出荷する。

9本のなかだとポテル・アヴィロンのモルゴン(左から3番目)がそう。

 

さすがにこれだけの量を一人で飲むわけはなく、友人たちと飲んだ。

毎年ボジョレー・ヌーヴォーが解禁したらいろいろ集めて飲むことにしている。ワイン好きには毛嫌いする人もいるが、私はお祭りとして楽しんでいる。

なにより冷遇を強いられたガメイとボジョレー地方がこれだけ脚光を浴びていること、その努力をしてきた人たちに敬意を表して。

どうしてこれだけ盛り上がるようになったのかはサントリーのページに詳しい。

ジョルジュ デュブッフ50周年|ジョルジュ デュブッフ ボジョレーヌーヴォー サントリー

最近、日本の農業をこれからどうするかといった話を聞くが、ワインを参考にしたらどうかと思っている。あれだけ成功した農産物は類を見ないのではないだろうか。

高く売れることよりも、高くてもお金を出す人がいるということがワインの特徴。いわば作り手と歴史、それを生みだした環境に対する尊敬の念がワインを支えている。

ボジョレー・ヌーヴォーを取り上げたこういうビジネス記事もある。

ボジョレーはなぜ儲かる?低級ワインを世界的ブランドへ転換、驚愕のビジネスモデル | ビジネスジャーナル 

 

さて話を戻すと友人とは木曜と金曜に飲んだ。料理はもちろんボジョレーに合わせて。 

一日目はパプリカのマリネ、きのことジャガイモのガレット、豚肉の紅茶煮、ぶなしめじと舞茸のソテー、鯖のパプリカ煮、最後に鮭とねぎのパスタ。

二日目はバーニャカウダ、舞茸とエリンギのソテー、牛ホルモンと豚レバーのサラダ、ミニトマトの豚バラ巻き、メインに鶏むね肉のマッシュポテト包み。

参考にしたレシピは


タカムラ ワイン ハウス/ボジョレー・ヌーヴォー2012を楽しむおすすめレシピご紹介


サントリー ワイン スクエア |ワインと合うレシピ


ボジョレーに合うレシピ|オーガニックワイン専門店 マヴィ

チーズはレッドチェダーと十勝スマートチーズを合わせた。 十勝のは特にサントリーが販売するジョルジュ・デュブッフ(左から4番目)と相性抜群!

ジョルジュ・デュブッフは甘さが他のものより強いのでそれが合ったのかもしれない。豚肉の紅茶煮をつくる際の漬けダレにも使ったが八角といい相乗効果だった。


明治北海道十勝スマートチーズ | 明治北海道十勝チーズ商品 | 明治北海道十勝 | 株式会社 明治

 

ここからはワインの味の話。

ドメーヌ・ドゥ・ラ・マドンヌ (右から3番目)は満場一致で美味しかった。これはヌーヴォー特有の作り方をしていない。あの特有のイチゴやバナナの香りは製法によるもの。

マセラシオン・カルボニクなどの炭酸ガスを使った製法が一般的だが、酒屋さんで聞いた話ではあのガスをきちんと取り除けば特有の香りがしなくなるそう。

ボジョレー・ヌーヴォーは香りが甘いわりに味は酸のある辛口なのでギャップが生じやすい。

このマドンヌは焦がし醤油に似たにおいがして、なめらかな舌触りと上品な味わいだった。約3000円なので安くはないが、しっかりとクオリティを求める場合には是非おすすめしたい

ボジョレー=薄くてまずい、という先入観を覆してくれると思う。

また2010年のドメーヌ・デュ・ペルショワ(左から4番目)も美味しかった。

たまたまネットで安く見つけて買ったものだが、ヴィンテージのよさもあってか落ち着いたまとまりのある味だった。マドンヌもそうだが年齢のいったブドウから作られているので凝縮感がある。

早飲みで熟成に適さないとされるボジョレー・ヌーヴォーでも作り手によっては数年経っても美味しい。時期が過ぎたということで安くなっていることもあるので有名銘柄を見つけたら買ってみるのも面白いだろう。

さて2012年はあのポジティブ全開のコメントすら鳴りを潜める年だった。

ルイ・ジャドは相当力のあるワイナリーだが開けたての2012年(左から5番目)は飲んだ瞬間に「アカン」と。味がしないというのが正直なところだった。

それでも時間が経つと全然変わって、ブラインドテイスティングをしたときにマドンヌと間違うほどだった。第一印象で終わりにしないで待ってみるのもワインを愉しむコツだなあと改めて。

同じルイ・ジャドつながりで言うとロゼが大好評だった。2009年ものなので5年経っているが長熟向きのヴィンテージだからか味はへこたれていなかった。

ロゼも軽くて薄いものが多い印象だが、これは自然な甘みのなかに厚みがあって飲んだ感のあるものだった。

そして9本のなかで別格だったのがモルゴン!さすがボジョレー地方のなかでももっともしっかりした味わいとされるだけのことはあり、しかも絶賛されたヴィンテージの2005年もの。

香りからして一線を画し、口に含んだ瞬間にボジョレーのイメージを覆す。色もずっと濃くて、深みがある。ピノ・ノワールと間違えても不思議じゃない。

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今回飲んだモルゴンのようにボジョレー地方にある村の名前はほとんど広まっていないと思われる。

これを買った酒屋でも輸入会社は仕入れづらいだろうと言っていた。なにせボジョレーと言えば敬遠されて、モルゴンと言えば?を向けられる。

毎年話題になるボジョレー・ヌーヴォーにしても何がなんやらという印象があるだろう。こんなこともあったようだ。

ボジョレー・ヌーボー解禁の日にとあるバーにて - Togetterまとめ

笑えるようで笑えない。私もワインショップで働くまでは品種も何もほとんど知らなかった。

 

こんな風に私がボジョレー祭りを開くのは友人にもワインが好きになってほしい思いから。難しいことは知っている人間に任せて、まずは飲んで美味しいものに出会うこと。

二日で8人にワインを飲んでもらったけれど、それぞれ好きな味があったようで何より。いつもより値の張る宅飲みに付き合ってもらえてありがたかった。

ちょうど金曜は友人の誕生日でもあったのでお祝いにシリル・アロンソのスパークリングを開けた。


【楽天市場】PUR ?ポワン ダンテロガシオン 750ml シリル・アロンソ:MOAI

口のなかでふんわり溶ける甘口で非常に美味しい。恵比寿のワイン屋でシリル・アロンソの来日イベントがあった際に試飲して購入した。

こちらもボジョレー・ヌーヴォーと同じ、ガメイを使ったもの。ガメイひとつ使ってもワインの味わいはまったく異なる。ちなみにガメイとはブドウの名前。

田崎真也氏曰く*4

特徴としては、ガーネットの色調が濃く、香りが華やかで、カシスやブラックベリーのコンポートやスミレの花、ほのかに甘草のようなスパイスの香りがあり、味わいはまろやかでふくよかな果実味から、広がりはバランスがよく、アフターに甘苦い印象のタンニンを感じます。 

 言われてみればそんな気も・・・?ワインの香りはそれまで嗅いだことのあるにおいからしか想像できないのでいつも表現が偏ってしまう。

他の人と飲むことでそれを補うこともできる。前回も書いたが ワイン、それもヌーヴォーのようにお祭り要素があるものは人と飲んだ方がいい。それをネタに会話が弾むし、初物とあって気分も弾む。


日本ワインの新酒やいかに。 - ここに広告塔を建てよう

楽しく飲みながらどんな香りがするとか味がするとか好きに言って楽しむのも一興。

ボジョレー・ヌーヴォーは解禁日かその直後しかほとんど飲まない。つまり一年に一度きり。せっかくの機会だもの、わいわい盛り上がりたい!

*1: 引用元:http://www.enoteca.co.jp/bjn/index.html

*2:引用元: Beaujolais official website. Beaujolais wines grape variety : the Gamay.

*3:左から 

ルイ・ジャド ボジョレー ロゼ 2009、ポテル・アヴィロン モルゴン コート・デュ・ピュイV.V. 2005、ドメーヌ・デュ・ペルショワ ボジョレー ヴィエイユ・ヴィーニュ 2010、ジョルジュ・デュブッフ ボジョレー 2011、ルイ・ジャド ボジョレー ヴィラージュ コンボー・ジャック 2012、アンリ・フェッシー ボジョレー・ヴィラージュ 2013、ドメーヌ・ドゥ・ラ・マドンヌ ボジョレー・ヴィラージュV.V. 2014、ギュイシャル・ド・ペロー ボジョレー・ヴィラージュ 2014、フランソワ・フッシェ ボジョレー・ヌーヴォー 2014

*4:田崎真也のワインを愉しむ