カッコつけたワインベスト5

 バーンバーグのこの企画が面白かった。「好きな●●」を答えるだけなのに、そこについ見栄を潜ませてしまう。

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原宿「それは、誰でも知ってるカイジより、もうちょっと詳しい感を演出したかったからです……」

ギャラクシー「『好きな漫画ベスト5』で、ドラゴンボールを入れるのは勇気がすごい。『誰でも知ってるだろ』とか『有名な漫画しか読んでないの?』って思われそう」

シモダ「誰でも知ってる作品を挙げると『そりゃそうだろ』で話が終わっちゃうっていうのはありますけどね」

 「●●通」を自負している人は、「好きな●●」を尋ねられたときに、“通ぶり”を発揮してしまう。●●を好きになるきっかけになったベーシックな経験があったはずなのに、“通ぶる”ためにベーシックなものをあえて避けてしまう。そういう心理はこの企画でも「これを好きだと言ったら普通すぎやしないか」という風に表れている。
 ベーシックとマニアックとの間にあるこの落とし穴には、「●●通」に尋ねる側も時としてはまってしまう。何から手をつけたらいいか知りたいのか(ベーシック)、それとも一般には知られていないことを知りたいのか(マニアック)によって、適当な尋ね方は異なってくる。

 さて、これにかこつけて、「カッコつけたワインベスト5」と「カッコつけてないワインベスト5」を書いてみる。

「カッコつけたワインベスト5」
1位アンリオ アンシャンテルール 1996
2位エゴン・ミュラー シャルツフホフベルガー 1990
3位ロバート・ヴァイル キードリッヒャー・グレーフェンベルク リースリング トロッケン GG 2014
4位ドメーヌ・アルヌ・ラショー ヴォーヌ・ロマネ オート・ド・メズィエール 2009
5位マルセル・ダイス シュネン・ブルク グラン・クリュ 2008

「カッコつけてないワインベスト5」
1位クロスター・エーバー・バッハ シュタインベルガー カビネット
2位ロバート・ヴァイル リースリング トロッケン
3位アンリオ ブリュット・スーヴェラン
4位サッポログランポレール 北海道ケルナー辛口
5位ドメーヌ・ヴァインバック リースリング キュベ・テオ

 こうして書いてみると、上は「語って聞かせたいワインベスト5」で、下は「試しに飲んでもらいたいワインベスト5」って感じがする。他の人におすすめを尋ねるときの、尋ね方のヒントになりそうだ。