2021年、読んでよかったと思う10の本

2021年、転職して一年過ごすなかで、読んでおいてよかったと思う本を10冊挙げるとしたら、以下の本がすぐに思い浮かぶ。伊藤修一郎『政策リサーチ入門 仮説検証による問題解決の技法』東京大学出版(※増補版が出るにあたり、旧版のリンクがなくなったようだ…

余力とは自分が誰かの助けになる力

5月に絶不調に陥り、そこで感じたもやもやをうまく言語化できないまま、7月が来た。あえて言えば、「ああ、私は生かされてきたんだな」「私たちはとても便利な社会に生きてきたが、このまま何もしなければ、少しずつ不便が生活を取り囲むだろう」という感触…

この世界の半分

どこまでいっても半分までしか理解できない。 けっして理解できなければ見えもしない余地がある。 分かり合えることはなく、ただ分かったつもりでいられる一時がある。 たとえ錯覚や誤解であっても、その一瞬は確かだと信じられる。 私たちが本当の意味で分…

沖縄における労働に関する論文

CiNii 論文 - 沖縄県の「過剰人口化」現象における労働と生活 https://ci.nii.ac.jp/naid/110000500659 #CiNii CiNii 論文 - 日本復帰後の沖縄における労働組合組織率の低下要因--全国との比較を含めて https://ci.nii.ac.jp/naid/110000979245 #CiNii CiNii…

2010年からの10年を本とともに。

2010年から2019年までの10年間で私を形づくったとも言える本の列挙。目の粗い選別。 2010年「スウェーデン」 2011年「貧困」 2012年「シギサワカヤ」 2013年「社会保障」 2014年「哲学」 2015年「福祉哲学」 2016年「日本型福祉」 2017年「ドイツ」 2018年「…

2019年度に読んだもの

本は私にとって精神安定剤なので、そのとき何を読んでいたかで精神状態が推し量れる。 こうして振り返ると、計44冊で2019年度は思っていた以上に本を読んでいなかったんだな。 2019年4月 2019年5月 2019年6月 2019年7月 2019年8月 2019年9月 2019年10月 2019…

2018年度に読んだもの

読んだ漫画の記録が多かったため計83冊の読書記録。 2018年4月 2018年5月 2018年6月 2018年7月 2018年8月 2018年9月 2018年10月 2018年11月 2018年12月 2019年1月 2019年2月 2019年3月

生まれてきたことを呪わない

生まれもった性への拘りはひとを不自由にもする。その昔、自分は体が男性で精神は女性、その上で女性が好きなのではないかと考えて悩んだ時期があった。ある時、単に私は女性が好きなんだと思うに至った。私がなんであれ女性が好きであることに変わりがない…

『〈始まり〉のアーレント 「出生」の思想の誕生』

「人間は誰もが、新しい者としてこの世界に生まれ落ち、その唯一の(ユニークな)生の過程を始める。誕生は自由な生の始まりinitiumであり、そのことは誰もが世界のうちで体験できる出来事であるが、その原因や理由を説明することは誰にもできない。出生とは…

『ワインの真実』

JN「映画が封切られた今となっては、彼の反応にも変化があったし、彼に忠実なやつらも僕には態度を変えたから、本当に根っから不誠実な人なんだって、心底から思う。彼は、自分のまわりにいるみんなに、不誠実になれって勧めているんだ。ジョージ・ブッシュ…

書き溜め

真摯であることを決して笑わない、決して疎かにしない、決して諦めない。 Never sneer at being sincere. Never neglect to be sincere. Never give up being sincere. 失敗は成功の反対ではなく、その一部である。何もしないことこそが成功の反対なのだ。 F…

星に願いを。

天上で双子座流星群の収穫が最盛期を迎えたらしい。今ごろ地上では双子の種が蒔かれていることだろう。願いはもちろん、健やかな子が生まれてきますようにだ。 流星が流れて消える間に願い事を三つ言えたら、その願いが叶うとは誰しも聞いたことがあるだろう…

先輩の卒業式

「みんなの頑張りを見て、自分も頑張ろうと思いました」 直前まで出かかった「頑張りたい」という言葉を呑みこんで、より前向きに聞こえるようにした台詞だった。 「そうだね。ああいう場で、頑張ってるやつらを見るとそう思うこともある。でも俺は、頑張れ…

橋本努『学問の技法』言及文献

はじめに第1章 知的モチベーションの方法第2章 知的体育の技法第3章 知的生活の技法 第4章 情報収集の技法www.toshoshimbun.com dokushojin.com第5章 読書の技法第6章 議論方法第7章 問いかけの技法第8章 レポートの技法おわりに

政策・情報 学生交流会

【重要】交流会開催取り止めについて – 第47回 政策・情報学生交流会「政策・情報 学生交流会がやられたようだな…」 「フフフ…奴は四天王の中でも最弱…」 「時の流れ如きにやられるとは学生団体のツラ汚しよ…」 ※政策・情報 学生交流会とは、「『総合政策っ…

ひとつの世界観が終わりを告げる

ここ最近の世の中の動きを見ていて、ふと「ああ、ひとつの世界観が終わるを告げるんだな」と悟った。おおざっぱに言って、1945年以来この日本でほとんど誰しもが抱いていた世界観が、この先通じなくなっていく。「ひとの人生を犠牲にしても省みない」世界観…

Bar inter-esse

「第二に、『公的』という用語は、世界そのものを意味している。なぜなら、世界とは私たちすべての者に共通するものであり、私たちが私的に所有している場所とは異なるからである。……世界の中に共生するというのは、本質的には、ちょうど、テーブルがその周…

ドイツワインは辛口の夢を見るか?

「粗末なワインを飲むには、 人生はあまりに短い。」ゲーテ "Das Leben ist zu kurz, um schlechten Wein zu trinken." Goethe ドイツワイン会(詳細は随時追加) ロゼ2種類、白5種類、スパークリング2種類、赤1種類の合計10本 おまけで、参加者の一人が持っ…

オーストリアワインと数の子

メルシャンで面白い研究が行われていた。ワイン中の鉄と魚介料理の成分が反応して生臭みを鼻で感じることを、メルシャンの田村隆幸さんが解明したようだ。数の子をはじめとする魚卵とワインはしばしば相性が悪いと言われていたので、改めて考えなおす画期的…

担々麺食べたい

生きることは、自分が弱いと知ったときから始まる。その弱さが原因で死んでしまわないように気をつけてから。 愚痴を言うことはともすれば忌避されちしまいがち。だけど愚痴る方は「そう言ってもやらなければいけない」ことをとっくの昔に分かっている。 分…

カッコつけたワインベスト5

バーンバーグのこの企画が面白かった。「好きな●●」を答えるだけなのに、そこについ見栄を潜ませてしまう。www.e-aidem.com 原宿「それは、誰でも知ってるカイジより、もうちょっと詳しい感を演出したかったからです……」 ギャラクシー「『好きな漫画ベスト5…

「福祉の政治過程」の意味と修論アウトライン Ver. 06.19

私の研究テーマは「福祉の政治過程の日独比較:国家干渉および私的自治の観点から」である。この「福祉の政治過程」の意味を、これまで私は明確にしてこなかった。今回は私が「福祉の政治過程」をいかなる意味で用いようとしているかについて記す。 また、後…

12月に提出する修論のアウトラインを更新(6月8日版)

3月27日にアウトラインを初めて公開してから2ヶ月以上が過ぎた。あれから私が何かを信じてこれたかはさておき、あのころの未来にはまだ立っていない。提出は6ヶ月先である。3月末に私が何を考えていたかについては、そのときの記事を参照してもらいたい。 al…

2016年9月から留学中に読んだ本+デュッセルドルフ大学の図書事情

本棚を見れば、その人がどんな人か分かると巷で言われている。ひょっとしたら本人よりも本棚の方が、その人のことを雄弁に語りうるかもしれない。最近ならOne NoteやEvernoteもその役割を果たせるだろう。 この記事では私が留学中に読んだ本を以下に一覧にし…

修論を「いきなり書く」はむつかしい

修論の書きはじめに 更新日:2017年4月6日 高階英樹(人文社会科学研究科公共研究専攻) 「修士論文を書こう!」「書かねばなるまい!」と意気込んでも、いざ書くとなると、これがなかなかどうしてむつかしい。修士論文に「何を」、「なぜ」、「どのように」…

12月に提出する修論のアウトライン(3月27日版)を掲載

同様の関心やテーマで研究している院生が身近にいないので、研究内容を公開することで専攻が同じか近い人を探します。公表することに気後れはありますが、もとよりこのブログの趣旨は「頭の中の見取り図」なので、完成されているものより未完成なものを載せ…

「この物語はフィクションです」

「もし世界が一人の人間によって救われたなら、その世界にはその者しか必要でない」*1 一匹狼や一人で何でもできることがもてはやされるのは、大事な自分という稀少性を高めてくれるように錯覚するからである。ああいったものはほとんどフィクションでしかあ…

Sozialpolitikリンク

Verein für Socialpolitik |Sozialpolitik aktuell: Das Informationsportal zur Sozialpolitik - Sozialpolitik aktuell: Das Informationsportal zur SozialpolitikWillkommen bei der Zeitschrift für Sozialreform (ZSR) | Zeitschrift für Sozialreform…

Weingut Dr.Schneider (ZunZingen)

ゲーテインスティテュートの企画で、バーデンのワインを6種類試飲してきた。Weingut Dr.Schneiderはフライブルクとバーゼルの間くらいにある。試飲したのは白と赤を3種類ずつ。それぞれGutedel(シャスラ)、Weissburgunder、Graurburgunder、Spaetburgunder…

Weingut Dr.Schneider (ZunZingen)

ゲーテインスティテュートの企画で、バーデンのワインを6種類試飲してきた。Weingut Dr.Schneiderはフライブルクとバーゼルの間くらいにある。試飲したのは白と赤を3種類ずつ。それぞれGutedel(シャスラ)、Weissburgunder、Graurburgunder、Spaetburgunder…